2024/6/10
【2021年版】人事必見!ITエンジニア平均年収で提示給与を考える
この記事では、ITエンジニアの採用を行う皆様に、提示給与を検討する際に参考にしていただきたい内容をまとめました。日本ではIT人材不足が加速し、優秀なエンジニアの採用がどんどん困難になっています。しかし、一方で日本のITエンジニアの年収水準は他国と比べ非常に低い状況が続いています。そのため、国内の優秀人材は国外に転職し、教育ができる先輩エンジニアも減る中で、若いITエンジニアはより一層育ちにくい環境になっていると言えます。そこで今回は、求人サイトや国勢調査による情報からITエンジニアの給与状況を探っていきます。
コンテンツ
平均年収(システムエンジニア・プログラマ)
厚生労働省が発表している賃金構造基本統計調査(2020)をもとに、システムエンジニアとプログラマの年収を算出してみました。算出方法は、ひと月に支給する現金給与額×12ヵ月+年間ボーナス支給額としています。
統計によると、2019年システムエンジニアの平均年収は568万円、プログラマは425万円です。2016年からいずれも年収は年々上昇傾向にあります。技術革新や情報社会の発展により、ITエンジニア需要は高まっているため、年収も今後さらに上がっていくことが考えられます。
サイト別に見る平均年収2021
次に、様々な求人関連サイトにて公開されている情報を見ていきましょう。
求人ボックス
求人ボックスでは、ITエンジニアの仕事の平均年収は約512万円となっています。全体の給与幅としては353〜965万円と比較的広いため、勤務先や経験・求められるスキルによっても大きな差があると見受けられます。
PayScale
ソフトウェアエンジニアの平均年収は490万円となっています。下の図で示している通り、経験1年未満の新入社員の平均年収は392万円(チップ、ボーナス、残業代を含む)、1~4 年の経験を持つソフトウェア・エンジニアの平均年収は458万円 となっており、1~4年程度の経験者で日本の全業種の平均給与に近くなります。経験5~9年の中堅ソフトウェア・エンジニアの平均年収は580万円、経験年数 10~19 年のソフトウェアエンジニアの平均年収は 612万円となっています。つまり、5年以上の経験者が東京都の平均年収に近しいものとなってきます。
マイナビ
マイナビにおいて、IT業界の平均年収は427万円となっています。更に詳しく職種を絞ると以下の通りになります。
システムエンジニア
システムエンジニアの平均年収は455万円です。220代から30代では平均年収が48万円増えています。
性別ごとに詳しく見ると20代では、男性の平均年収は418万円、女性の平均年収は482万円。30代になると、男性の平均年収が532万円、女性の平均年収350万円となっています。この数字を見る限り、20代の女性のシステムエンジニアを確保するには男性よりも高いオファーが必要となる傾向があります。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアの平均年収は462万円です。最近はAWS等クラウドサービスの需要も高まり、それに比例してサーバーサイドの知識があるエンジニアは重宝される傾向にあるようです。20代では、男性の平均年収は369万円、女性の平均年収は468万円。30代になると、男性の平均年収が516万円、女性の平均年収が470万円となっています。
日本の給与水準は低い!世界の年収ランキング
冒頭でも述べた通り、日本のITエンジニアの年収は非常に低いとされています。2020年に公開された給与水準ランキングによると、日本は92か国中18位で42,464USドルです。1 位はスイス(92,500USドル)、2 位は米国(83,389USドル)、そして3 位はイスラエル(79,511USドル)となっています。日本と1位のスイスを比較すると倍近く年収が異なっています。同じ先進国の中でもかなりの差が開いてしまっているというのが現状です。(参考)ヒューマンリソシア
年収水準と満足度の関連性は高い!
それでは次は、年収の金額的な大小比較だけではなく、他の産業と比較するとどれくらいの差があるのか見ていきましょう。以下、経済産業省によって公開された左の図からは、米国に続いて日本のIT人材年収が高いことがわかります。しかし、ここで注目してほしいのはインド、中国、インドネシアなどのオレンジ色に囲われた国です。平均年収は低いですが、他の産業と比較した場合、年収の割合が日本以上に高くなっています。つまり「ITエンジニアになる」=「他の産業よりも高収入を得ることができる」ということを意味します。値打ちのある職業として確立されることで、国が積極的に教育支援に取り組むため、若いITエンジニアが生まれる確率も高くなるでしょう。ベトナム政府はITエンジニア育成に力を入れており、まさに新人ITエンジニアの発掘国として人気を博しています。詳しくはこちらの記事をチェック!
日本の場合、IT人材の平均年収は600万円で、それほど低くはないものの、国内全産業の平均年収と比較してさほど高くありません。これは就業者の給与満足度へと大きく関わっています。右の図から分かるように、日本には給与に満足しているITエンジニアはたったの7.6%です。つまり、他国と比べて「ITエンジニアになる」ことにメリットを感じにくいと考えられます。このままでは優秀なITエンジニアは海外に流出し、ITエンジニアになりたい若手が国内にとどまらず育たない国になってしまいます。
これが現在日本が抱える、IT人材不足の深刻な要因の一つと言えます。経済発展を進めるためにもITエンジニアは必要不可欠です。日本国内により多くのITエンジニアを確保するために、雇用企業が見直すべき点の一つは「待遇面」ではないでしょうか。
まとめ
以上、厚生労働省やいくつかの求人サイトの情報から、日本のITエンジニア給与状況をみてきました。国内の他産業と比較するとITエンジニアの給与水準は高いですが、その高さは他国と比較すると特別高いものではありません。つまり、日本はITエンジニアという専門的な職業の社会的希少価値を給与で反映できていません。優秀なITエンジニアを育て、活躍してもらうためには、仕事への満足度を高め、職業的価値を高める必要があります。これらの情報が採用担当の給与を決定するの参考になれば幸いです。
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