ITエンジニア必見!労働時間は短く、有給取得率は高い?【2021年版】

今回はITエンジニアを中心に、日本の労働環境についての最新情報をお届けします。残業時間、有給休暇の取得率はどのくらいなのか解説します。日本は2019年から、働き方改革と称し長時間労働の是正や、多様な働き方の実現を推進してきました。労働時間法制は見直され、労働基準法はより厳格になっています。このような変化を通して、日本でどのような労働環境が当たり前になりつつあるのか見ていきます。


この記事からわかること


法的に定められた労働時間と休憩の決まり

まず国の定める労働条件をみていきましょう。

・原則、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働してはいけない・労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩をとる・少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日取らなければならない・原則、残業時間は月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできない(月45時間は、1日当たり2時間程度の残業に相当します。)

所定内労働時間は何時間?

すべての産業の一般労働者(パートタイムを除く)の所定内労働時間は月間、平均148時間です。平均出勤日数は19.4日なので、1日の所定労働時間は約7.6時間ということになります。みなさんは現在1日に何時間働いていますか?

産業によって所定労働時間は大きく異なります。最も短いとされる業界は「金融・保険業」で、月間137.4時間。最も長い「建設業」は月間155.6時間です。最短と最長業界は月に約18時間の差があることになるのです。https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r02/20cr/dl/pdf20cr.pdf

ITエンジニアの所定内労働時間は?

ITエンジニアを含む「情報通信業」の所定労内働時間の平均は月間144.5時間となっています。出勤日数は平均18.9日のため、1日7.6時間働いていることとなります。全産業の所定内労働時間の平均値である148時間より時間は短い結果となりました。

日本の所定外労働時間はどのくらい?

所定内労働時間以外に、所定外労働時間は何時間かとても気になるところです。所定外労働時間とは早出、残業、臨時の呼出、休日出勤等を指します。日本の一般労働者がこれらに費やした時間の合計は平均12.4時間です。つまり1日、約36分の残業等をしていることになります。結果、所定内労働時間と合計した、総実務労働時間は月に160.4時間となります。

ITエンジニアの残業時間は?

所定内労働時間と同様に「情報通信業」の産業区分に当てはめると、残業等に費やす時間は月に15.5時間です。1日にすると48分残業等をしていることになります。情報通信業は日本平均よりも出勤日数が少ないため、1日の所定外労働時間も長くなっていると考えられます。結果、総実務時間は160時間であり、日本の平均値とほとんど大差がありません。https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r02/20cr/dl/pdf20cr.pdf

日本の週休制

2020年調査結果によると「何らかの週休2日制」を取る企業は全体の約86%となっています。そのうち、完全週休2日制なのは58%です。残りの約28%は完全週休2日制より休日数が実質的に少ない制度を使っています。例えば月3回の週休2日制などが該当します。

有給休暇の取得率

ITエンジニアを含む「情報通信業」の労働者に対して付与された有給休暇の日数は19.3日です。そしてその休暇を実際に取得した日数の平均は12.3日です。つまり約19日分の休暇を取ることが可能で、その内の12日分を利用したことになります。取得率は64%となります。全産業の平均付与日数は18日で取得日数は10日となっているため、「情報通信業」の労働者の取得率は平均値より高いことがわかります。https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/20/dl/gaikyou.pdf


出退勤時間の変化

日本では長年の間、働き方の習慣として9時に始業、18時に終業が当たり前でした。しかし近年働き方は多様化し、変形労働時間を導入する企業が増えています。

変形労働時間制とは

労使協定または就業規則等において定めることにより、一定期間を平均し、1週間当たりの労働時間が法定の労働時間を超えない範囲内において、特定の日又は週に法定労働時間を超えて労働させることができます。「変形労働時間制」には、(1)1ヶ月単位、(2)1年単位、(3)1週間単位のものがあります。ここででは、月単位と年単位で労働時間を柔軟に調節する制度、そして「フレックスタイム制」についてみていきます。

フレックスタイム制

一定期間(1ヶ月以内)を平均した際に、1週間当たりの労働時間が法定の労働時間を超えない範囲内で、その期間中の総労働時間を定めたとします。その際に、その定めた労働時間の範囲内で始業・終業時刻・労働者がそれぞれ自主的に決定することができる制度です。

これらの制度を導入することで、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決め、生活と業務との調和を図りながら効率的に働くことができます。https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/20/dl/gaikyou.pdf


このような変形労働時間制を採用している日本の企業は約6割です。企業規模が大きい企業ほど導入する割合は高くなっています。変形労働時間の中でも特に1年単位の変形労働時間制を導入する割合が高く、フレックスタイム制は6%となりました。働き方改革ではフレックスタイム制の拡充を推進しており、より多くの企業が取り入れやすくなるよう法改正を行いました。労働基準法改正前は清算期間の上限が1か月だったため、所定外労働をした際に割増賃金(残業代)を支払っていました。しかし改正後は清算期間の上限が3か月になったため所定外労働をした分の時間分、他の月の所定労働時間を減らし、調節することが可能となりました。子育てや介護といった生活上のニーズに合わせて労働時間が決められ、より柔軟な働き方が可能になります。さらに適用する労働者の範囲を明確にすれば、一企業に異なる単位の変形労働時間制を複数導入することが可能です。部署ごとのニーズに合わせて変形労働時間制を利用できるのです。https://www.mhlw.go.jp/content/000474499.pdf

フレックスタイム制の清算期間延長のイメージ

まとめ

時代に伴い、以前より多くの企業がワークライフバランスを考慮した働き方を模索しています。務める予定の企業が法的な労働条件を厳守しているのか、有給取得率はどれくらいなのか確認してみましょう。これから日本で働こうと考えている皆さんはぜひ参考にしていただきたいと思います。

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