DX推進に必要な人材とスキルは?本格化しない原因を解説

現代、厳しい企業競争に勝ち抜くためにデジタル技術の活用は欠かせません。デジタル技術の活用によって企業のビジネスを変革し、デジタル時代に勝ち残れるよう自社の競争力を強化 することは「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」と呼ばれています。そんなDXを推進したい企業の人事担当者に向けて、どのような人材が必要か解説します。※今回は以下の文献を多く参考にしています。興味のある方はそちらもご覧ください。参照サイト:情報処理推進機構

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DX人材とは

IPAによると、DX人材は「企業や組織におけるDXやデジタルビジネスの推進を担う人」と定義しています。細かい役職で見ていくと以下の通りになります。

DX人材について

DX人材は足りていない!!

現在、日本においてこのようなDXを推進できる人材は大幅に不足しています。企業にどれだけDX人材が足りていないか調査した結果は以下の通りです。特に「プロデューサー」や「データサイエンティスト/AIエンジニア」、「ビジネスデザイナー」、「アーキテクト」は「大いに不足」という回答が半数前後に達しています。

なぜDX人材は不足しているのか

IPAが行った一部上場企業92社に対するアンケート結果によると、43.5%の企業がDXの取り組みを行っておらず、44.6%の企業は事業創造の初期段階だとしています。事業創造とは、企業の中で新しい事業を 立ち上げ、軌道に乗せることで、初期段階とは、まだ見通しが分からないまたは、成果が見込まれている状態です。更に本格的に成果を出している企業はたったの12%で、非常に低い結果となっています。つまりDX推進は本格的に取り組めている企業はまだわずかしかないという課題があるのです。

DXを促進する人材の不足割合

実際にDX実現に取り組む企業の実行プロセスをもとに、DX推進を妨げている要因については以下のようなものが考えられます。

【事業創造未着手時】

①事業創造の必要性を感じていない。検討した状態が続いている。②アイデアはあるがリスクを考慮し進められない。③DX推進担当者がいない。④デジタル技術がわからないことで取り組みを敬遠している

この段階の解決策・ 権限をもったCDOなど上位ポストの設置と、担当者のアサイン(外部調達か現場から招聘)・DXの必要性に関する経営層の理解や浸透、および CxO(CDOやCEO)からの号令・失敗を許容する検討体制(まず取り組む姿勢)・事業部門とは異なる組織/独立予算の立て付け

【事業創造初期段階時】

①PoCが上手くいかない。②PoC後の説明に時間がかかり検討が止まっている。③PoCの乱立によって最終的な決断ができていない。

※PoCとは、Proof of Conceptの略で、「概念実証」という意味です。新しい概念や理論、原理、アイディアの実証を目的とした、試作開発の前段階における検証やデモンストレーションを指します(keyence)。

この段階の解決策・PoCの進め方を理解し継続的にいいものを作る意識を持つ。・事業の本格化に向けリソースを含む意思決定は経営層の役割と責任のもとに行う・PoC後の評価基準(時期・成果)を明確にしする・意思決定や関与に外部資本を投入する

DX人材に必要なスキル・経験

では次に、企業が行っているDX推進の実行プロセス過程から、どのようなスキルと経験が必要になってくるのかを段階別にみていきましょう。

事業着手初期段階に必要なこと

・現状の課題を見つける力・企業の強みから生まれる技術・ノウハウの理解・解決へのモデルを検討しアイデアを出す力・DX推進に必要なメンバーを見分ける力つまり、将来への危機感を持ち、社内に改善案を提示できる力が必要です。

事業試行段階に必要なこと

・情報収集力(海外の事例・技術など)・顧客の潜在ニーズの洗い出し力・PoC経験・繰り返し試行する忍耐力・試行過程での成功体験つまり、目的実現への粘り強さと、事業全体を客観視する力が必要です。

事業実装段階に必要なこと

・成長可能性が高いビジネスモデルを絞る力・他社を巻き込み多角的に理解する力・他サービスとの連携を検討する力つまり、必要なプロセスや人材の判別、周囲を巻き込む力が必要です。

DX推進の成果を出した企業の特徴

実際に成果をだした企業と、そうでない企業に対して行われたアンケートから、成果を出した企業には共通する社風がありました。・「今後目指すべきビジョンが明確である」・「変革や挑戦を好む」・「スピードが重視される・「果敢にリスクを取ることが尊重される」・「個人の裁量が大きい 」これらの項目に当てはまる企業はDX推進で成果を出しています。まずは、自分たちの会社が今どんな傾向にあるのかを確認することから始めてみましょう!

DX推進が浸透しない背景

DX推進が本格化しないのは自社の雰囲気や傾向以外に何が要因でしょうか?以下のようなアンケートの結果をみてみましょう。

DXが浸透しない背景

赤の点線に囲われた部分に注目すると、本格的に取り組めていない要因の一つにDXを担う能力のある人材が、社内で育成できないとあります。上位2つの「危機感が浸透しない」「変革の抵抗感が強い」というのは社員がそれを解決できるスキルがないことや、必要性に気づいていないことが原因となっているのではないでしょうか?DX人材が、その必要性やスキルを提示することができれば上位2つの課題を改善することができます。結果、社内の文化にも変化が見えるはずです。だからこそDX人材の採用こそ取るべき第一歩なのです。


まとめ

DX人材の育成には時間を要します。更にDXは成果を出すのに難易度が高く、時間を要する場合が多いとされています。このようなことからも、国内だけにとどまらず、国外にも視野を広げ優秀な人材を発掘しててはいかがでしょうか?

国内外の優秀IT人材を発掘したいという場合は、ダイレクトリクルーティングでの外国人ITエキスパートの採用というのが盛んになってきています。それはたま別の記事でご紹介したいと思います。


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