【日本企業で働く外国人ITエンジニアの実情】インタビュー:後編/日本企業で働いて得られた変化は?

前回に続き今回はインタビュー企画<後編>。日本企業で活躍するフィリピン人エンジニアの方々の生の声を通して、日本企業で働く外国人エンジニアの「実情」をお届けします。今回は日本で働いてみて「実際に感じたこと」に注目し、自分が成長できた点や日本人の印象について伺います。回答から働き方の違いや日本人の特徴を参考にしていただければ幸いです。外国人エンジニアを採用したい人事担当者の方や、日本企業に関心のある外国籍の皆さんに、ぜひ読んでいただきたい内容となっています。

※インタビュー<前編>はこちら

インタビュー後編


一緒に働く日本人はどのような印象ですか?

ローレンスさん: 皆さんとても正直で誠実な人たちです。いつも自分たちのやることに完璧さや質の高さを求めている印象を受けます。以前から、チームの連携という観点で彼らのようなビジネスマンと働きたいと思っていました。

マルコさん: 日本人の方は自分の仕事に対して熱心で情熱的です。さらに目標を遂行する集中力が高く努力家です。そのため、彼らと働いていると「私も頑張らなければ!」と姿勢を正すことができます。彼らと働くことは私のモチベーションに繋がっています。

オールディンさん: 日本人と一緒に仕事をして良かったと感じるのは、彼らは常に自分の考えやアイデアを共有する積極性があるところです。さらに、一緒に働く仲間を正しい道へと導いてくれるます。言葉の壁によって意思疎通がスムーズにいかないことも稀にありますが、私が理解できないでいるとより丁寧に説明してくださる姿勢があり、自分からも質問したりすることでうまくカバーできています。

ダニエルさん: 初めて日本チームに参加したとき、彼らはとても親切で、優しく、親しみやすい人たちでした。私は今、フィリピンチームと日本チームに分かれて開発に携わっていますが、チーム間での情報共有の方法がとても親切で気に入っています。特に彼らのプロ意識の高さと、忙しい日でも知識を共有する姿勢が好きです。この様なコミュニケーションは自分の技術を探求する良い機会になっています。

日本企業で働いてよかったと感じる点はありますか?

ローレンスさん: アジアの雰囲気を大切にしながらも、世界的で質の高いプロジェクトに関われる点です。フィリピンと日本は同じアジアの国であることから、考え方や文化的背景に共通点が多くあります。アジアの雰囲気を維持しながらハイレベルな仕事に携わることができる環境はとても魅力的です。

マルコさん: 日本企業が提供するプロダクトやサービスはとても質の高いものばかりです。そのため、その開発段階に関われることは自分の技術を高めるまたとないきっかけとなり、自信や誇りになっています。ビジネスマンとしての評価を高められたので日本で働いていて良かったと感じています。

オールディンさん: 日本でもフィリピンでも同じ事が言えますが、より多くの人の生活を豊かにするサービスを提供することに終わりはありません。日本の企業で働いていると、それをより強く実感できます。改善を繰り返す姿勢、向上心の高さを身に着けることができました。

ダニエルさん: 日本の企業で働いて感じたのは、彼らは柔軟性が高く、より高度な技術を取り込むことに前向きでオープンであるということです。他の社員にも新しい技術を探求する機会を与えてくれるため、デベロッパーとして非常にありがたい環境だと日々感じています。

日本の企業で働き始めて、働き方や生活習慣に変化はありましたか?

ローレンスさん: 日本の企業は、状態を数値化した書類や会議前の準備にとてもこだわっていると思います。何の準備もせずに会議に参加することはできませんし、アジェンダが用意されていなければ会話が成立しないこともあります。そのため、先のことを考えながら、しっかりと事前準備をする習慣が身についたと感じています。

マルコさん: 日本で働き始めてから、整理整頓をする習慣がつきました。状況を客観的に把握し、自身が抱える仕事量やその状態を把握する意識が高まりました。その結果、質の高いアウトプットをタイムリーに出せるようになりました。コーディングの観点では、日本のエンジニアから多くの技術を吸収することができため、コーディングスタイルや規格が向上しています。

オールディンさん: 生活スタイルやワークスタイルからも言えることなのですが、目標を設定したら、それを具体化することが習慣化しました。私の企業はアジャイル手法を取り入れているので、毎日こなすべき仕事をリスト化します。その際に一つ一つの仕事のターゲットやゴールを明確にしています。そうすることで私はその目標を達成することにに集中できるのです。日本企業で働くことを通して私のワークスタイルは向上したと感じています。

ダニエルさん: 日本企業で働き始めてから、ワークスタイルは変わりました。質の高いコードを提供する方法が改善されましたし、やみくもに働くのでなくしっかりと目標を持つことでスケジュールの管理も改善されました。

今後の目標や達成したいことはありますか?

ローレンスさん: 私の目標の1つは現在の企業にできるだけ長く務めることです。さらに、現在マネジメントしているメンバーを成長させて高い力をつけさせたいです。メンバーには、日常生活を楽しんでもらいながらも、ビジネスとテクノロジーの両面で会社の成長を支える世界的なプロジェクトを共に進められるよう努めたいです。今の部署は大きくないので、長く働いてくれる優秀なメンバーを育てることに加えて、どんどん新人も育てていきたいと思っています。現在の企業に入社したとき、自分に「今までにない最高の仕事を見せるぞ」と言い聞かせたんです。私のベストを尽くせるよう努力したと思っています。

マルコさん: 私の目標はIT技術によって多くの人の生活の質を向上させることです。そのために、仕事を通してより多くのことを身に着け、高度な仕事をこなせるソフトウェアエンジニアへ成長したいと思っています。

オールディンさん: 私の目標は、ウェブ開発だけでなく自分のスキルセットを幅広く向上させることです。モバイルアプリケーションの構築や、インフラの最適な扱い方についてもスキルを伸ばしたいと考えています。そしてゆくゆくは、上級開発者として自分の知識をチーム、特に新人開発者に最大限に伝えていきたいと思っています。

ダニエルさん: 私が達成したいことの一つは、良い品質の製品を提供・生産するためのコーディングスキルをもっと向上させることです。また、多くの知識やアイデアを同僚たちに共有していきたいと考えています。日々、将来のプロジェクトに役立つような様々な技術に触れ、知識の幅を広げていきたいと思います。

日本企業に就職したい方へのアドバイス

誰しも、国外の企業で働く上で最も気になるのは言語の違いではないでしょうか。日本企業で働く上で、うまくコミュニケーションをとっていけるのかは、非常に気になるポイントだと思います。しかし、日本人は英語を学んだり話したりすることに比較的前向きです。英語は日本人とフィリピン人の言葉の架け橋となってくれます。また、双方がどう伝えるべきか気にかけることで円滑なコミュニケーションは取ることができます。私にとって言語の壁は仕事に大きな障害だと感じることは少ないです。日本のビジネスマンと仕事をすることは自身を成長させる絶好の機会だと思います。

まとめ

インタビューを通して感じたのは、言葉が多少通じなくても工夫して意思疎通しようとする姿勢が大事、ということです。採用企業、外国人エンジニアの方、双方が積極的に理解しあい、共に良い仕事をしていこうという姿勢があれば、言葉の壁を超えて円滑なコミュニケーションを取ることができているケースが多く見られます。そして、日本の文化やワークスタイルに触れることは、多くの外国人に良い刺激を与えてくれます。日本のビジネスマンと仕事をすることは自身を成長させる絶好の機会になることでしょう。今回お話を伺った方々が終始話していたように、多くの日本人は非常に親切で、皆さんを歓迎しています。ぜひ、キャリアの選択肢として日本企業で働くことを考えてみていただけたらと思います。

The post 【日本企業で働く外国人ITエンジニアの実情】インタビュー:後編/日本企業で働いて得られた変化は? first appeared on GitTap BLOG.