日本で働くベテラン外国人が語る、日本の企業文化

最近はコロナの影響でテレワークが進むなど日本の働き方が大きく変わってきたと報道されています。これまで日本の伝統的な企業カルチャーである終身雇用はどんどん薄れているのが実情です。

しかし、日本での大手企業が長らく終身雇用を採用してきたこともあり、日本で働く上でどのようなカルチャーなのかは知っておいて損はないでしょう。私が日本で働く中で学んできた ”ちょっと得する” 日本企業で働くコツをお教えします。

目次

なぜ日本では入社後、簡単な仕事からスタートするの？

自国で新しい会社に入った時は、面接で伝えたスキルをもとに仕事が任されますよね。人によっては始めからかなり難しい仕事も任せてもらえるかもしれません。

一方日本では、まず始めは簡単な仕事から任され、徐々に難しい仕事にアサインされていくケースが多いため、始めは「もう少し難しい仕事を任せてくれてもいいのに…。」「自分のスキルが信頼されていないのかな。」と不満や不安を持つ方もいます。

しかし、そのように感じる必要はありません。

これは日本企業が長く社員を育てていく文化の裏返しなのです。どちらかといえば、少しずつ仕事のレベルを上げていき、その人がどこまで出来そうか見極めていくという風土があるのが日本です。

現在のＩＴ業界では育てるという風土はそれほど強くはないものの、もともとの足りないスキルは入社後に育てるという文化があるからこそ、最初から難しい仕事は任せない、ということも多いようです。決してあなたが面接で言ったスキルを疑っているわけではないのです。

そんな日本企業の特徴をしっかり念頭に置きながら、まずはどんなに簡単でも任された仕事を着実にこなしていくことが大切です。

まさに日本は“オ・モ・テ・ナ・シ”を大切にする国

日本はオモテナシの国です。仕事の成果が前提でありつつも、上司との付き合い方も外国人にとっては大事に気遣いできたかという点が評価に繋がるケースが多いということです。

もちろん全ての日本企業がそうではありませんし、ＩＴ企業には完全実力主義の企業もありますが、上記のようにオモテナシ精神を持った人が高く評価される傾向にある企業はたくさんあります。

例えば、上司より先にエレベーターに乗り「開」ボタンを押して待っていたり、上司のグラスが空いていたらお酒を注いだり、上司から誘われた飲み会やランチに積極的に参加して、話をしっかり聞いたり…。

日本人はこのようなちょっとした気遣いは当たり前のように行いますが、これらを海外からやってきた皆さんにされると、自分たちの文化を理解してくれたと感じ、とにかく喜んでもらえるのです。

実力主義のもとで働いてきた皆さんにとって、このような日本の文化が回りくどく、面倒くさいと感じることもあるかもしれません。

しかし、これらのオモテナシ精神に基づく行動は難しいことではありません。このような些細な行動をすることで、他の海外からやってきた従業員との差別化を図ることができます。

日本で就業する際は、オモテナシ精神をもった人付き合いを心掛けてみましょう。

長く同じ会社にいることは、評価や信頼に繋がることもある年収アップには、転職ではなく続けることが近道なことも

日本の雇用関連法は、海外と比べて比較的労働者向きといわれており、リストラが一般的ではありません。

実力主義のもと、リストラの可能性もある中で働き続けてきた私たちにとってはなかなか理解しにくい特徴でしょう。

日本企業が外国人を雇うとき、その日本の文化や働き方への順応力も重視するポイントなので、同じ人にずっと働き続けてもらえばもらうほど、「他の会社に行ってほしくない」という思いが高まり、評価アップに繋がる可能性もあるのです。

最後に：日本企業のカルチャーを理解し、キャリアアップを目指す

日本企業で働くと、始めはなかなか馴染めず、理解できない文化の壁とぶつかることが多々あることでしょう。

けれど自国との違いを理解し、日本の文化に寄り添って働いてみると、案外居心地よく満足に働くことができるかもしれません。長く勤務し信用力が高まるにつれ、大きな仕事や報酬、居場所を提供してくれる日本はとても魅力的だし、日本にやってきて良かったという意見もよく聞きます。

ちょっとした気遣いができるオモテナシ精神や、長く働くことで得られる信頼を武器に、日本社会において自身の市場価値をグングン高めることも不可能では全くないのです。

日本は今、エンジニア不足と言われており、大抵の企業ではエンジニアを募集しています。そんな日本で就業し、日本の文化を自分の物にして市場価値を高めてみてはいかがでしょうか？

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