2023/8/22
【JASSO留学生必見!】日本で働く就活スケジュールを徹底解説
JASSOの留学生イベントなどを通し、日本で働きたいと考える学生が増えています。日本はほかの国と比べると雇用が安定しており、福利厚生が手厚いのが魅力の一つです。しかし、日本での就職活動は他の国と比べるとスケジュールなどにさまざまな違いがあるため、日本流の就活の方法を知っておかなければいけません。
今回は、日本で働きたい留学生に向けた就活の方法や、就活スケジュールについて解説していきます。日本で働くことに興味がある人は、ぜひ参考にして日本での就活を成功させましょう。日本のIT業界に興味がある人は、グローバル企業が集まるIT業界求人サイトの『GitTap』で職探しをするのもおすすめです。
日本の就活スケジュールの特徴
日本の一般的な就活は、ほかの国と比べるとさまざまな違いがあります。日本で働く留学生は基本的に日本のルールに従って就活を行うことが推奨されているため、自国のルールで就活を進めてしまうと失敗してしまう可能性が高いです。まずは、日本における「就活」の特徴を知っておきましょう。
- 日本の就活スケジュールの特徴①|在学中に仕事を探す
- 日本の就活スケジュールの特徴②|決まった期間に採用選考が行われる
- 日本の就活スケジュールの特徴③|ポテンシャルで採用されることが多い
日本の就活スケジュールの特徴①|在学中に仕事を探す
日本の就活の大きな特徴の一つが、大学在学中に就職する企業を探すことです。日本労働組合総連合会のデータを見ると、日本では80%以上の人が大学在学中に卒業後の仕事が決まっています。
しかし、日本以外の多くの国では在学中に就活を行うことはほとんどなく、卒業後にどのような企業で働くかを決めます。上記のデータによると、大学在学中に卒業後の仕事が決まっている人の割合が50%を超えるのは、タイ・ブラジル・ドイツ・ロシアの4カ国だけです。これらの国も割合が65%を下回り、世界中で大学在学中に就活を行うのは稀であることがわかります。
日本で就活をする場合、卒業後に就職を開始すると間に合わないので注意しましょう。その代わり、日本は卒業してから仕事を始めるまで半年から一年ほどの猶予期間があるため、長期間の旅行やボランティア活動など自分の好きなことをすることができます。
参考:日本労働組合総連合会
日本の就活スケジュールの特徴②|決まった期間に採用選考が行われる
日本の就活は、毎年決まった期間で新卒学生を対象として採用選考を行う「新卒一括採用」が一般的です。そのため、日本の就活生は世界でも珍しい横並び一斉スタートであり、日本で働きたい留学生もこの制度に慣れなければいけません。
新卒一括採用ルールに従うと、会社説明会などの広報活動や面接などの選考活動、内定交付の時期が定められています。これらのルールは必ずしも従わなければいけないものではありませんが、企業にとっても効率的に採用活動を行えるメリットがあるため、大半の企業がこの就活ルールを導入しています。
しかし、新卒一括採用ルールは2018年9月に表面的には廃止されています。現状は学生の混乱を招くため現行のルールが維持されていますが、徐々にルールがなくなっていくことを留学生の人たちは理解しておきましょう。
参考:就活ルールが廃止される!今後の就活はどうすればいい?/career ticket
日本の就活スケジュールの特徴③|ポテンシャルで採用されることが多い
日本以外の国では、入社後にすぐにビジネスシーンで活躍できる即戦力が重視されます。しかし、在学中に企業を決める日本の就活では、即戦力よりもポテンシャルが重視される傾向が強いです。そのため、多くの日本企業では入社後に働きながらトレーニングを受けるOJT(On-the-Job Training)が採用されています。
日本では、新卒であればその業界の知識やスキルがなくてもすぐに解雇にはなりません。仕事に直接的な関係のない大学で学んでいるとしても、ポテンシャルさえあれば採用される可能性があります。
参考:新卒採用があるのは日本だけ!?海外の就活事情/KotsuKotsu
日本での就活の全体スケジュール
日本の就活はほかの国と比べると特殊であり、留学生は日本ならではの就活スケジュールを把握しておくことが重要です。ここからは、日本の就活における一般的なスケジュールを見ていきましょう。
<2025年から就職する場合>
- 2023年7月頃〜2024年3月頃:インターンシップ・自己分析・業界研究
- 2023年9月頃〜2024年6月頃:職種・企業研究
- 2023年12月頃〜2024年6月頃:応募書類の準備
- 2024年3月頃〜2024年6月頃:企業説明会
- 2024年3月頃〜2024年6月頃:企業エントリー
- 2024年4月頃〜2024年6月頃:ES提出
- 2024年6月頃〜2024年10月頃:面接、筆記試験
- 2024年6月頃〜2024年10月頃:内々定
- 2024年10月 :内定
- 2025年3月 :大学卒業
- 2025年4月 :入社
上記の日程が、日本における一般的な就活スケジュールです。10月に内定をもらった後は入社まで半年ほどの猶予があるため、長期の旅行やボランティアなど好きなことに時間を費やすことができます。留学生の人は、日本語の学習をしたり自国に帰り日本での就職準備をしたりすることも可能です。
上記で紹介した一般的なスケジュールには、留学生には馴染みが薄いものもあるでしょう。ここからは、それぞれの内容について詳しく解説していきます。
留学生が知っておくべき日本の就活スケジュール①|インターンシップ
インターンシップとは、気になる業界や職種の仕事を体験することです。留学生が日本企業のインターンシップに参加することで、日本の働き方や文化、日本のビジネスマナーを学ぶことにつながります。日本の働き方に疑問や不安がある留学生は、積極的にインターンシップに参加しましょう。
日本以外の国では、インターンシップに参加するとその企業からの採用が積極的に決まることが多いです。しかし、日本ではインターンシップに参加したからといって採用に直接関係があるわけではありません。あくまでも、日本でのインターンシップは職業体験であることを理解しておきましょう。
留学生が知っておくべき日本の就活スケジュール②|自己分析
自己分析とは、自分の長所や短所、将来のビジョンや価値観を考えて整理することです。日本の就活ではポテンシャル採用が一般的なため、業界に関するスキルや知識でなく潜在能力で評価されます。そのため、就活で自分自身のことを面接官に深く知ってもらうために、自己分析は欠かせません。
自己分析を行うことで、どのような仕事で働きたいかが明確になるのもメリットです。せっかく採用が決まったのに、興味のない仕事を選んでしまうと新たに転職活動をしなければいけません。日本は世界と比べると転職が盛んに行われることが少ないため、転職活動に苦労する可能性があります。
自己分析を効果的に行うには、まずは過去を振り返り印象的だった経験や出来事、それらにまつわるエピソードを洗い出しましょう。さらに未来の自分を想像し、どのようなキャリアを積みたいかを考えることが重要です。留学生は、なぜ日本で働きたいかを過去と将来の二軸で考えてみましょう。
参考:自己分析とは?実施のメリットと就活・転職活動での必要性を解説/ハタラクティブ
留学生が知っておくべき日本の就活スケジュール③|業界・職種・企業研究
日本の就活では、志望理由が聞かれることが一般的です。業界・職種・企業それぞれを入念に研究をしておくことで、具体的な志望理由に加え熱意をアピールすることができます。業界とは仕事のおおまかな分類、職種とは仕事の種類のことです。まずは日本にどのような業界があるのかを把握し、自分が日本のどのような業界に興味があるかを明らかにしましょう。
職種は、職業の種類です。たとえばIT業界であれば、コンサルタントやシステムエンジニア、プログラマーやプロジェクトマネージャーなどさまざまな職種があります。日本の新卒採用は職種が限定されることは少ないですが、志望動機を伝える際に職種研究は重要です。同じ業界であっても職種が異なると業務内容はまったく異なるため、どの職種が自分の将来のキャリアにあっているかをじっくり考えましょう。
企業研究は、志望理由に一番重要となる部分です。同じ業界かつ同じ職種の企業は多く、その中からどうしてこの企業を選んだかを明確に伝えるには、企業研究なしでは語ることができません。企業のホームページから企業理念や代表者のメッセージ、企業の強みを汲み取り、入社したい企業を選びましょう。
参考:まずはやってみよう!業界・企業・職種研究/キャリタス就活
留学生が知っておくべき日本の就活スケジュール④|応募書類の準備
日本の就活では、基本的に「履歴書」と「ES」の2種類の応募書類が必要です。履歴書とは、住所や生年月日、学歴や資格・免許など自分自身の基本的な情報を記す書類のことです。
多くの国では履歴書の形式は決められていませんが、日本は履歴書の形式が定められています。日本の留学生の場合、大学指定の履歴書がある場合があるので確認しておきましょう。大学指定の履歴書がない場合は、市販されている履歴書を使用します。
留学生向けの履歴書の正しい書き方については、こちらの記事を参考にしてください。
ESとはエントリーシートのことで、志望動機や自己PRなど自分の人となりをアピールする役割があります。基本的には企業ごとに指定のESがあるため、事前に内容を確認しておきましょう。企業ごとに質問事項は異なりますが、内容やエピソードは使いまわしても問題ありません。
留学生が知っておくべき日本の就活スケジュール⑤|企業説明会
企業説明会とは、企業が自社を知ってもらうために開催されるものです。事業内容や業務内容といった一般的な情報から、実際に働いている先輩社員のリアルな声を聞くことができます。
企業説明会には、企業が個別で行うものと複数の企業が集まって合同で開催されるものの2種類があります。個別の説明会はじっくりと一つの企業について知ることができるメリットがありますが、定員が設けられているため早めの予約が必要です。合同説明会は、一度にたくさんの企業のことを知ることができるメリットがあります。志望する企業を特定していない場合は、合同説明会に参加して事業内容などを比較してみましょう。
参考:会社説明会とは?当日の流れや基本マナー、質問のポイントを解説/ユニキャリ
留学生が知っておくべき日本の就活スケジュール⑥|面接・筆記試験
日本の就活において、最も重要だと言っても過言ではないのは面接です。企業によって異なるものの、基本的に内定が決まるまで2回以上の面接があり、集団面接やグループディスカッション、個人面接などさまざまな種類の面接を受けることがあります。
<日本の就活における面接の種類>
- 集団面接:ほかの志望者と一緒に面接を受ける方法
- 個人面接:志望者一人にじっくり時間をかける面接方法
- グループディスカッション:与えられたテーマに対して志望者数人で議論する方法
集団面接・個人面接では、基本的に志望動機や自己PRなど個人的な質問をされます。自己分析やESの内容を基に、自分自身のことを積極的にアピールしましょう。グループディスカッションでは、グループ内での役割や立ち振る舞いがチェックされます。コミュニケーション能力や課題解決能力が評価されるのが一般的です。
どの面接においても、内容だけでなく言葉遣いや身だしなみ、話し方や態度なども評価されます。留学生の場合日本語が十分でなければたどたどしい話し方になってしまいますが、熱意が伝われば問題ありません。日本特有の面接マナーや立ち振る舞い方を知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
留学生が知っておくべき日本の就活スケジュール⑦|内々定・内定
企業から採用をもらうことを、日本では内定と呼びます。内定は、早ければ入社する前の年の6月からもらうことが可能です。ただし、先ほど紹介した新卒一括採用ルールによって内定を通知するのは10月以降だと定められていました。現状いまだそのルールが維持されているため、10月までの内定通知解禁日までに出る内定を、内々定と呼びます。
内々定は事前約束のため、法的には内定が成立していると言えません。そのため、内々定は志望者・企業どちらからでも取り消すことが可能です。内定であっても志望者から辞退することはできるため、内々定・内定をもらっても第一志望の企業からの結果が出るまでは就職活動を続けることもできます。
多くの企業では、10月に内定者が集う内定式が開催されます。内定式によって正式な内定通知がされ、役員や先輩社員と一緒に懇親会が行われることも少なくありません。
参考:内々定とは?内定との違いや取り消しになるケースも解説/スタンバイ
留学生が注意すべき日本の就活スケジュール
一般的な日本の就活スケジュールは、上記で紹介したとおりです。しかし、留学生の場合は上記のスケジュールどおりに動けないこともあるでしょう。ここからは、留学生が気をつけるべきスケジュールとして、3つの注意点を紹介します。
- 留学生が注意すべき就活スケジュール①|日本は3月卒業が一般的
- 留学生が注意すべき就活スケジュール②|通年採用の企業がおすすめ
- 留学生が注意すべき就活スケジュール③|卒業後の就活には手続きが必須
留学生が注意すべき就活スケジュール①|日本は4月入社が一般的
上記で紹介したスケジュールの就活準備が6月から始まるのは、一般的な日本の企業は入社時期が4月だからです。しかし、世界を見ると4月入社が一般的な国は珍しく、留学生にとっては大学の卒業時期の入社時期が合わないこともあるでしょう。
日本で働きたい留学生で自国の大学を卒業するなどで入社時期と卒業時期が合わない場合は、上記の流れを把握してほかの学生に遅れを取らないように入念な就活スケジュールを立てることが重要です。
参考:4月入学の国って他にある?なぜ日本の新学期・入学式は4月から始まる?/All About
留学生が注意すべき就活スケジュール②|通年採用の企業がおすすめ
通年採用とは、就活ルールに捉われず1年を通じて採用活動を行っている企業のことです。留学生向けに秋採用を導入している企業もあり、そのような場合は上記で紹介したスケジュールから半年遅れて就活を進めることができます。
通年採用は難易度が高い傾向がありましたが、就活ルールの廃止に伴い導入する企業が増えることが予想されます。新卒一括採用方式が合わないと考える留学生は、通年採用の企業を積極的に選びましょう。
参考:トレンドが変わった?全大学院生がおさえるべき「通年採用」とは?/アカリク
留学生が注意すべき就活スケジュール③|卒業後の就活には手続きが必須
卒業までに就職先が決まらなかった場合、留学生であれば卒業してからも就活を続けることは可能です。その際、留学ビザから特定活動ビザへの変更手続きが必須です。変更手続きには、以下の書類を用意しましょう。
- 在留資格変更許可申請書(写真付き)
- パスポート
- 在留カード
- 日本滞在中の費用負担能力を証明する書類
- 大学の卒業証書
- 大学からの推薦状
- 就職活動を行っていることを証明する資料
ただし、必要書類は留学している学校の種類によって異なるため、詳しくはこちらのHPをご確認ください。
▼本邦の大学等を卒業した留学生が就職活動を行う場合/出入国在留管理庁
日本への留学を考えている人におすすめのイベント
日本への就職の前に日本へ留学したいという人は、JASSOが主催する日本留学バーチャルフェアへの参加がおすすめです。日本留学バーチャルフェアは日本への留学を希望する学生向けのイベントであり、日本の大学が参加し全体への学校案内や個別相談などが実施されます。オンラインで開催されるため、自国にいながら日本留学について最新で的確な情報を得ることができます。
2020年から毎年開催されている日本留学バーチャルフェアは、2023年は8月30日から9月3日にかけて5日間行われます。72の日本の大学や日本語学校が参加し、それぞれの学校はZoomによるライブセッションを行うため具体的な話を聞くことも可能です。気になる大学があれば、時間に合わせてライブセッションを受けてみましょう。学校ごとの詳しい日時は、以下の公式ホームページをご覧ください。
留学生が注意すべき日本の就活スケジュール
日本の就活はほかの国と比べると、スケジュールなどに大きな違いがあります。日本ならではの特徴を知らないまま就活を始めると、就活のタイミングに間に合わず卒業までに就職先を見つけることができないかもしれません。特にJASSOのイベントなどで日本に興味を持った留学生の人は自国と同じように就活を進めないよう、日本の就活スケジュールを把握しておきましょう。
日本のIT業界に興味がある人は、IT業界に特化した求人サイト『GitTap』の利用がおすすめです。グローバル企業が集まっているため、留学生でも日本で暮らしながら活躍できるチャンスが高いです。
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