日本で外国人ITエンジニアが業務委託で働く際の注意点


年在宅勤務やリモートワークが一般化した影響もあり、より柔軟な働き方が求められるようになってきました。特にITエンジニアの場合は在宅で業務が行えるケースも多いため、会社との通常の雇用契約ではなく、業務委託契約や請負契約によって就労するタイプの求人も増えています。

会社がほとんどサポートを行う通常の雇用契約ではなく業務委託契約で就労する際、日本ではどういった手続きを行う必要があるのか、その注意点について今回は解説します。

Contents


1.日本在住の外国人が業務委託契約で働く際に就労ビザ取得は必須

リモートが一般的になった今、日本でも業務委託契約によってさまざまな場所にいるITエンジニアへ業務を外注する機会は増えています。

外国人が日本企業と業務委託契約を結んで働く際、日本国外在住の場合は就労に関する手続きは特段必要ありません。(日本の源泉税の免税措置を受ける場合には、居住国と日本政府が結んだ租税条約に基づいた届け出が必要になります)

外国人が日本国内に在住して日本企業と業務委託契約を結ぶ際には、就労ビザの取得や在留資格の認可に関する諸手続きが必要です。そのため、仕事を発注する日本企業側も外国人のビザの状況についてあらかじめ確認する必要があり、さらにサポートする必要がある場合もあります。

また複数の会社と業務委託契約を結んでいるケースでは、より報酬が高い会社で就労ビザ申請を行うことになります。

2.就労ビザ取得のための条件・注意点

「技術・人文知識・国際業務」での在留資格認定は、雇用契約を想定したビザ申請の際に必要になるものですが、業務委託契約においてもこの在留資格認定によるビザ取得が可能です。一般にITエンジニアはこの区分での申請になります。

労働法上適切な業務委託契約であることを示す

就労ビザ申請の際、締結された業務委託契約書を添付する必要があります。注意点は、日本の労働法において適法な契約内容であることを示すということです。その内容が労働法上不適切な場合は、就労ビザの許可が得られません。そのため、業務委託契約において契約書を作成する際には、適切な労働条件を明記した契約書を作成し、それでも適法かどうか内容に確信が持てない点があれば、専門家(弁護士・社会保険労務士等)に確認しましょう。

長期的・安定的な契約内容である

通常の雇用契約で就労ビザ申請を行う場合と同様に、業務委託契約の内容が長期的な契約で安定した収入を得られるものである必要があります。長期的と言っても、それがどれほどの期間に当たるか明示はされていないものの、1〜2ヶ月程度の契約ではビザ申請の許可が得られない場合があります。

ただし、契約期間が短かったり、数ヶ月単位で契約が更新される内容であっても、基本的には契約が更新されていくものであれば、申請の際にその点について説明することで、許可される可能性もあります。

業務を行う能力が十分であることを示す

一般的な雇用契約と同様に、発注される仕事の内容と関連する一定の学歴もしくは経歴が必要とされています。

日本国内外の大学院・大学・短期大学、日本国内の専門学校を卒業していること、もしくはその仕事内容について10年以上(仕事によっては3年以上)の職務経歴があること、といった条件のいずれかを満たすことが求められます。

なお、ITエンジニアの場合、これらの学歴・経歴を、日本の情報処理技術に関する国家資格で代替することも可能です。

3.従業員と個人事業主の違い


通常の雇用契約で外国人が会社の従業員として採用された場合、源泉徴収の手続き、年金・健康保険の計算・支払いなどの諸手続きは、企業の担当者が行う必要があり、外国人従業員の負担はそれほど多くありません。

一方で、外国人が業務委託契約、請負契約で働く場合は、個人事業主として自分で確定申告を行い、所得税、住民税、年金、健康保険など全ての計算・支払いを行う義務が生じます。

また在留資格の更新申請の際には、課税証明書、健康保険証の提出を求められるため、こうした手続きを適切に行っていなければ、将来的に日本での滞在延長は難しくなります。

そのため、通常の雇用契約でなく、業務委託契約や請負契約の形で企業と仕事をする場合は、この点をあらかじめ理解しておく必要があります。自分で手続きを行う自信がなければ、外国人への対応に慣れている税理士や行政書士などへの依頼も可能ですが、日本の社会保障制度や税制に関する最低限の基本知識は必須です。

業務委託契約で仕事をする場合は、そういった手続きのための「手間やコストがかかる」ということを事前に認識しておきましょう。

まとめ

新型コロナウィルス対策のために在宅勤務が一般的になった昨今。人的リソースを確保するために企業が在宅勤務を希望する外部のITエンジニアと業務委託契約を結ぶケースは、今後さらに増えると予想されます。しかし、会社がほとんどの手続きを行う一般的な雇用契約と比較すると、業務委託契約の場合には個人で行わなければいけない手続きが増え、外国人にとっては大きな負担にもなりえます。仕事探しを行う上で、労働契約の種類によるこういったメリット・デメリットをあらかじめ知っておくことは重要です。

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